人のセックスを直視せよ 3/21 AV鑑賞会報告

こんにちは、Silloiです。

先月21日にサクラ荘にて催されたAV鑑賞会について報告します。

1. 概要

3月21日26時頃からサクラ荘のリビングで、代々木忠監督によるAV作品『面接 VOL.121. セックス中毒の若奥さん 処女二年半のお姉さん これオモロイでぇ』、『ようこそ催淫(アブナイ)世界へ 13 野生が欲しい女たちとSEXきらいなAV女優』の二本を上映・鑑賞した。参加者は累計11人、うち8人が男性、3人が女性だった。夜が明けた30時頃に解散した。

2. 動機と狙い

今回の企画を立ち上げた動機、そして狙いについて説明しましょう。

動機は私個人が代々木忠監督作品を見たかったこと、そして他の人にも見てもらいたかったことです。

代々木忠はその監督作品の数と影響からして日本を代表するAV監督といってよい存在です。その作品の特色は、女性のオーガズムを撮ることへの執念にあります。

性愛は人間心理の深奥に関わることから、オーガズムの追求は個人のトラウマやコンプレックス、ライフスタイルなどに否応なくかかわります。それゆえその作品は一個の人間のドキュメンタリーとしての色合いを強くしています。AV鑑賞会を健全な形で行うことができると考えたのも、作品のこのような性質によります。

もう一点、この企画には裏の狙いがありました。それは参加者がともに「セックスを直視する」ことです。

我々には人のセックスを目にする機会がありません。より正確には、セックスの一部始終を学習する機会を与えられていません。

世間はセックスに対するイメージで溢れていますが、それらは断片的なものでしかありません。しかしセックスは過程であり、一つの貫徹したコミュニケーションです。一回のセックスに立ち会うことは、百冊のセックス投稿誌を読むより有益でしょう。

他方で、我々はセックスを忌避します。性的な体験が我々の日常に侵入してくることを惧れます。しかしセックスは日常の延長線上にあり、その間に橋を架けない限り向こう岸には行けません。男性の私としては、まず女体というものを聖から俗の領域に落とし込むことが、我々に必要と考えていました。

3. 実際

『ザ・面接』シリーズはやはり特筆すべきものがありました。AV女優の採用面接という設定で作品は展開されます。モデル一人につき二人の男優が応接し、うち一人と本格的な行為へと発展します。その周りでは面接官として制服の女性が5、6人程度、人物や行為の採点をします。このようなメタ的な舞台設定のなかで、カメラを回す代々木監督はモデルに相手の目を見るよう、二人の世界に没入するよう要求します(この辺りの様子に関しては代々木忠自身の著作を読むとよくわかります)。

参加者は予想した通りおとなしく作品を見ていました。モデルや男優のリアクションに会場からも反応が起こるのは面白い動きだったと思います。実際『ザ・面接』シリーズでは、モデルの経歴や志向への関心もさることながら、男優のキャラクターと彼らの掛け合いは多くの笑いを引き出しました。一方で『ようこそ催淫世界へ』の方はちょっと退屈だった感があります。時間が時間だったのもあり、多くの参加者がまどろんでいました。

参加者によって程度に差はありますが、客観的批評と主観的没入を参加者が相互に行き来したように見えました。その点においてこの試みは成功だったと思います。

4. 今後

今回、「就活のネタ作りとする」という口実でメンバーの皆さんに協力を仰ぎ、その実現に漕ぎつけることができてよかったと思っています。参加を希望していたにもかかわらずできなかった方、ごめんなさい。

最後に私が他に企画としてやりたいと思っていることをいくつか挙げます。

一つはクラブとかある種のバーに行ってみたいです。クラブはナンパ界隈では一つの拠点ですし、ハプニングバーはネットで面白い話をいろいろ聞きますが、それが実態かどうかも含めて謎の多い領域だと思います。どういう人たちがそこに出入りしているのかの調査も含めて、実地を踏んでみたいと前々から思っていました。

あるいはそれに近いものとして、相席屋にも行ってみたいですね。出会いそのものを提供するサービス業態としては、近年もっともジェントリフィケートされたものだと思います。これらは一人でも行けなくはないですが、同志がいれば心強いかなといったものです。

あと以前考えていたものとして、催眠誘導ワークショップを一時計画していました。準備とフィードバックが大変そうなので頓挫してしまいましたが。誰か他に主導してくださる方いませんかね…?

それから新入生を巻き込んでついでに加入させる企画ができるとよいですね。会内の多様性が増すことは我々にとっての利益だと思いますので。